2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 いつも旬な男の物語(161)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉟」

高校3年間の担任の先生との思い出を振り返ってみると... 1・2年と受け持ってもらった中林先生から学んだことは...年配ながらも自分から気さ くに生徒に関わっていこうする「普段着の教師像」に接し、その辺のおばちゃんとい う親しみやすさも生徒たちには必…

 いつも旬な男の物語(160)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉞」

高3の夏休みに俺の進路を変えるきっかけとなったのは「20ヶ国語ペラペラ」(種田 輝豊著)という本だった。 本屋でこの本を見つけて少し立ち読みをしたら「よし!俺もいろんな国の言葉を学ぶ ぜ!」と大いなる刺激を受けた。 それを買って電車の中で貪るが如…

 いつも旬な男の物語(159)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉞」

俺もいよいよ将来の進路を考える学年になった。 担任は40代中頃の男の先生になった。 数学の八瀬先生で、顔は四角いが温厚で笑福亭仁鶴に似ていた。 高3の思い出と言えば、ひとりの友人とのことが強く印象に残っている。 彼とは高2の時に同じクラスになり、7…

 いつも旬な男の物語(158)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉝」

焼香をあげている時のことは覚えていないが、式の終わりにマイクロバスに乗って焼 き場へと向かう彼女の顔は鮮明に心に残っている。 参列者から見える側の窓際の席に座り、遠くの方を見ていた。 その彼女の顔を見た時、深い悲しみが俺の胸に湧き起こり茫然と…

 いつも旬な男の物語(157)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉜」

俺の大好きな彼女がホームルーム合宿に参加できなくなってしまった。 彼女のお父さんの状態がとてもよくないらしくて、そばを離れられないという状況 だった。 そのことを知らされた時、俺はとてもがっかりして世の中で楽しいことがなんにも無 くなってしま…

 いつも旬な男の物語(156)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉛」

高2のホームルーム合宿が俺の中で強く印象に残っているのは、同じクラスに大好き な女の子がいたからだ。 薄茶色で長い髪の毛をしていて、風が吹くとその髪の毛がふわっとたなびく姿がとて も美しかった。 面長で少しふっくらとした頬と切れ長で一重瞼の大き…

 いつも旬な男の物語(155)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉚」

高2の担任も1年の時と同じ中林先生だった。 年配ではあるが、何かと生徒と関わろうとする先生で、近くのおばちゃんみたいな雰 囲気の先生だった。 この高校では1年時は1泊2日で、2年時は3泊4日でホームルーム合宿というものがあっ た。 このホームルーム合宿…

 いつも旬な男の物語(154)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉙」

俺も高校生になり、また一歩おとなに近づいた。 高1の担任は年配の女性だった。 家庭科の中林先生で、高2も同じ担任だった。 高校は中学と違って通学圏が広くなり、知らない名前の中学ばかりだった。 最初は名簿の順番に座り、言葉を交わすのは俺の前後の生…

 いつも旬な男の物語(153)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉘」

石山先生の言葉に少し不安を覚えながら帰宅すると、おふくろが「今、高校から合格 通知が来たわよ」と喜びながら言った。 俺は内心ホッとして「よっしゃ〜!」とガッツポーズで喜んだ。 おふくろはすぐに学校に電話をして、先生に伝えた。 俺は合格通知書を…

 いつも旬な男の物語(152)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㉗」

「なぁ〜んだ、俺だけじゃないんだ」という失望感も味わった。 特別に俺だけがもらえたんだという優越感にも似た気持ちに浸りたかったんだろうな ぁ。 今思い出すと、先生のことが好きだったんだ(^ ^) 最後にもう一つ受験のことで印象に残っていることがある…

 いつも旬な男の物語(151)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉖〜

アイスクリームの思い出の次は、高校受験直前の思い出だ。 二学期の三者懇談で俺は公立高校と私立高校の併願受験をすることに決めた。 本命の公立高校は俺の実力ではギリギリ合格ラインかという状況だった。 滑り止めの私立高校も少し手強いかなという感じだ…

 いつも旬な男の物語(150)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉕〜

中3の担任は若い女性で数学の石山先生だった。 天地真理のファンで、学校ではドレスのような服装で授業をすることもあった。 毎日、スポーツタイプのクーペで通勤してくる姿がカッコよかった。 厳しくもあり、面白くもあり、生徒目線で触れ合ってくれた。 印…

 いつも旬な男の物語(149)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉔〜

三石先生は、第2分野の生物は得意だったが第1分野が少し苦手だった。 だから、第1分野の物理の時間は、自分も生徒と一緒になって考えながら授業をして くれたのでとてもわかりやすかった。 ある時、授業中にわからないところが出てきて、物理専門の先生に職…

 いつも旬な男の物語(148)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉔〜

じいちゃんは背中に銃弾を受けても助かった。 ばあちゃんは空襲警報が鳴る最中に平然と五右衛門風呂に入っていた。 神様に見守られていたんだなあと感じる。 じいちゃんとばあちゃんにもかわいがられて育った俺も小学校を卒業し、中学に入学 した。 俺にとっ…

 いつも旬な男の物語(147)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉓〜

じいちゃんから聴いた話で一番強く心に残っているのは戦争の話だ。 小学校では第二次世界大戦と習ったが、じいちゃんはいつも大東亜戦争と言っていた。 こども心に戦争は二つあったんだと思っていたのに。 何のことはない。 世界では第二次世界大戦と言った…

 いつも旬な男の物語(146)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉒〜

母方の祖父母は車で30分程のところに住んでいたので、年に数回は遊びに行った。 俺と姉貴だけが祖父母宅に泊まり、次の日に祖父母に送ってもらうこともあった。 じいちゃんは少し背中が曲がっていたが、俺を自転車の荷台に座らせて実家まで送っ くれたことも…

 いつも旬な男の物語(145)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉑〜

父方のじいちゃん・ばあちゃんのことはあまり記憶にない。 かなり離れた地方に住んでいたので、親父の故郷に帰省するのは年に2〜3回だった。 汽車に揺られてトンネルを越え、自然豊かな景色を車窓から眺めなるのが好きだった。 アルバムにはじいちゃん・ばあ…

 いつも旬な男の物語(144)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑳〜

俺にとって俺以外は皆師である。 だから、出会った人・生きもの・もの全てが俺の貴重な先生だ。 たくさんいる俺の師の中で文字通り職業としての先生を除いて、小学校時代に最も深 く心に刻まれている友だちは大室・島田・岸の三人だろう。 もちろん、人生で…

 いつも旬な男の物語(143)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑲〜

卒業式後に遊びに行った友だち岸の家に置いてあった漫画本の数を見て俺はびっくり した。 何と普通の2段ベッドの1階部分にびっしりと並べてあった! 漫画本は全て背表紙が上になるように整然と並べられていので、見たい漫画本をすぐ に取り出せるようになっ…

 いつも旬な男の物語(142)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑱〜

小学5・6年担任の西野先生は俺にとっては先生と言うより、恋人のような存在だった。 何か悪ふざけをしたら先生にかまってもらえる。 叱られている時も俺には全くそんな意識もなく、ただ心の中では喜びを感じていた。 先生としてだけでなく、異性としておとな…

 いつも旬な男の物語(141)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑰〜

不思議に思いながらも俺は先生のそばに少しでも長く一緒にいられただけで嬉しかっ た。 先生が好きなので、もっとかまって欲しいという気持ちが俺には強くあった。 俺は元来がハニカミ屋さんで、好きな女の子には面と向かって好きと言えなかった。 だから、…

 いつも旬な男の物語(140)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑯〜

島田の家で見たアニメは『ジャングル大帝レオ』だった。 このアニメを彼の家で見た後は島田や彼の妹と遊んだり、彼のお母さんの出し てくれるお菓子を食べたりして寛がせてもらった。 この時間と空間が俺には本当に心地よかった。 西野先生との思いでは、島…

 いつも旬な男の物語(139)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑮〜

先生の手作りカレーをよばれながら、みんなで楽しくおしゃべりをしていた。 もうすぐ結婚することになる男性のことなどを先生の口から直接聞いたり... 先生の小さい頃の話を先生のお母さんから聞いたり... 近くに公園があり、そこのブランコに乗ってみんなで…

 いつも旬な男の物語(138)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑭〜

遊び友達の大室と二人で大好きな西野先生の家に遊びに行くことになった。 他の児童たちから先生の家に遊びに行く日を聞いていたので、俺たちもその 日に行くことにした。 二人は自転車で行こうか、バスで行こうかと思いあぐんでいたら、大室のおじさん が「…

 いつも旬な男の物語(137)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑬〜

おふくろの教科書読み指導と石川先生の絵本読み聴かせのお陰様で、俺は読書がます ます好きになった。 そんな俺も小学校5年生になり、担任の先生も変わった。 新担任は教育大学を出たての女性の西野先生だった。 とても綺麗な先生で、俺はひと目惚れした。 …

 いつも旬な男の物語(136)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑫〜

石川先生のことで一番印象に残っているのは、絵本の読み聴かせだった。 終わりの会の最後にいつも先生が『おさるのキーコ』という絵本を読んでくれた。 内容についてはほとんど忘れてしまったが、机の上にランドセルを置き、その上に顎 を乗せながら先生の話…

 いつも旬な男の物語(135)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑪〜

ひょっとしておふくろは教えるのが好きだったのかもしれない。 おふくろは家庭ではまさしく俺の先生だった。 小学2年生になると学校生活にも慣れ仲間も増えて、俺も少しは腕白小僧になっていっ た。 小学校2年生から4年生は同じ担任の先生が持ち上がった。 …

 いつも旬な男の物語(134)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑩〜

最も鮮明に覚えているのはおふくろのことだった。 入学式が終わって帰宅すると、直ぐにおふくろは俺の真っ新なランドセルから国語の 教科書を取り出した。 何をするのかなと思っていると、その教科書を開いて俺が文章を読めるかどうかを確 かめようとした。 …

 いつも旬な男の物語(133)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑨〜

唇を切った時は幼な心に「せんせいって優しいなあ」と感じた。 これが先生という職業に憧れを持った最初の出来事だった! 幼稚園時代に唇を切ったことがきっかけに、先生と一緒に帰宅したりして束の間だけ ど、先生を独り占めできた喜びが俺にはあったんだろ…

 いつも旬な男の物語(132)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」⑧〜

もう一つ嫌だったのは自分の名前だった。 これもトイレで同じ男子児童から声をかけられた時のことだった。 前のページで『ゆりぐみ』と答えるのにとても嫌な思いをしたことを書いたが、続い てその園児は「なまえは?」とも聞いてきた。 俺は自分の名前にも…