2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

 いつも旬な男の物語(191)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 65」〜

第一志望校は世界史が論述だった。 俺はこの論述が苦手だったにも関わらず、論述のための勉強をほとんどやっていなか った。 過去問を見ても、どこの時代のどんな分野が出るかは年によって全く異なっていた。 だから、語句の暗記はもちろん時代背景や主な出…

 いつも旬な男の物語(190)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 64」〜

たとえ滑り止めだとしても、最悪の場合はそこに入学する可能性もあるので、自分の 好きなことが学べるように熟考して決めた。 本命は関東の国立大学の外国語学部(英米語学科) 第二志望は関東の私立大学の外国語学部(英語科) 第三志望は関西の私立大学の…

 いつも旬な男の物語(189)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 63」〜

俺の本命である外国語大学の二次試験を受けるには共通一次の合計点数が780点以上 あれば受験資格が得られるという予想だった。 俺の取った830点という点数に自信を持ち、早速外国語大学(英米語科)に願書を送 った。 共通一次試験の合計点数が大学側の二次…

 いつも旬な男の物語(188)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 62」〜

もう後がない3浪目もゴールデンウイークが過ぎる頃には学習スタイルも軌道に乗って いた。 夏には夏季講習を受け、授業のない時間帯は食堂で勉強したりして少しでも予備校で 勉強する時間を多くしていた。 秋の気配が漂う頃には街を歩くカップルに目をやりな…

 いつも旬な男の物語(187)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 61」〜

3浪時代の俺の勉強スケジュールは予備校と家庭学習の2本立てで組んでいた。 朝から夕方4時ごろまでは予備校での勉強で、それ以降は家での勉強だった。 帰宅して5時頃から「水戸黄門」を1時間だけ見るのが、俺の唯一のテレビ視聴タイ ムだった。 それ以外は一…

 いつも旬な男の物語(186)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 60」〜

予備校の京大クラスに受かった喜びは、まるで高校に受かったと時と同じぐらいに嬉 しかった! もう飛び上がりたいほど嬉しくて、誰彼なくに抱きついて俺の感情を表したかった! 「やったー!遂に受かった!さあ、これからだ!」と自然に言葉が出て来るほどの…

 いつも旬な男の物語(185)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 59」〜

両親の許しを得てからの俺は気分を一新し新たなるチャレンジの道を歩み始めた。 予備校は引き続き同じ学校に通うことにした。 コースは私立文系ではなく京大文系にした。 1年間みっちり予備校で勉強し、そこそこ力もついていたので文系で一番高いクラスに 決…

 いつも旬な男の物語(184)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 58」〜

「どうしても志望校に行きたい」 「もし、両親の許可が降りなければ、東京で新聞奨学生として働きながら予備校通い をする」 俺の強い意思表示のお陰様なのかどうかはわからないが、おやじはおふくろの方を見 て頷いた。 「わかった。ただし、これが最後だ。…

 いつも旬な男の物語(183)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 57」〜

「もう1年浪人させてください」俺は頭を下げておやじにお願いした。 「う〜ん」おやじは考え込んだ。 「これが最後です。もし、無理なら東京で住み込みの新聞配達をしながら受験する覚悟 です。もう一度だけお願いします」 おやじとおふくろは顔を見合わせた…

 いつも旬な男の物語(182)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 56」〜

第2希望の学部にも俺の受験番号はなかった。 何度も見返したが無かった。 俺は絶望のどん底に落とされたような感じで帰路についた。 帰宅して俺は両親に不合格だったことを伝えた。 今後のことについて少し話をしたが、どんなやり取りをしたかはあまり覚えて…

 いつも旬な男の物語(181)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 55」〜

やはり予備校に通うと生活のリズムがビシッと確立できた。 お陰様で授業でも家でも集中して勉強することができた。 授業の合間には仲間と喋ったり、昼食は学食で摂ったり... 全授業が終わったら、たまに学食で勉強したり雑談をしたり... 帰りには近くの本屋…

 いつも旬な男の物語(180)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 54」〜

宅浪に終わりを告げる日が次第に近づいてきた。 宅浪してどこまでの力がついたのかを確かめるために、模擬試験を何度か受けた。 受験勉強らしいことはあまりやっていなかったので志望校合格の判定はかなり厳しい ものだった。 それでも、俺は自分の希望する…

 いつも旬な男の物語(179)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 53」〜

宅浪の前半は彼女との文通でのやり取りを通して何とか俺の受験へのモチベーション は保たれていた。 その間にラジオ講座で語学の勉強をしたり、読書をしたり受験勉強をしたりしていた。 場所は家でやることもあれば図書館ですることもあった。 たまに高校時…

 いつも旬な男の物語(178)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 52」〜

宅浪時代に俺がしていたことをざっと書いてみよう。 1年間ほぼやり通したものもあれば、1〜2ヶ月で辞めてしまったものもある。 NHKラジオ講座(英会話・フランス語・ロシア語)の勉強。英会話は長く続いたが、 仏語と露語は途中で挫折した。朝早い時間に放送…

 いつも旬な男の物語(177)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 51」〜

宅浪して初めて俺は気づいた! 勉強には自分を厳しく律する必要があるということを。 友だちの佐兼も俺も翌年は予備校に通うことにした。 予備校にも入学試験があるので、その受験勉強をすることが俺たちの当面の目標にな った。 大学受験より予備校受験とい…

 いつも旬な男の物語(176)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊿」〜

「教師とは?」シリーズも高校時代から予備校時代へと進む。 高校を卒業して1年目は宅浪しながら受験をした。 受験で出会った彼女と文通をしながら勉強をしていたが、彼女との文通も自然に遠の いてゆき、俺の中に核となるものが無くなってしまった。 家に閉…

 いつも旬な男の物語(175)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊾」〜

彼女のことはほとんど思い出すことはなかったが、このブログを書くにあたって偶然 振り返ることができた。 当時の手紙やお守りは多分もう俺の手元にはないかもしれないが、記憶に刻まれた思 い出は振り返れば振り返るほど鮮明に思い出されてくる。 俺の中で…

 いつも旬な男の物語(174)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊽」〜

遠距離文通しながら彼女と俺はお互いの近況を伝え合っていた。 彼女からの手紙が待ち遠しく、郵便屋さんのバイクの音が聞こえるたびに俺はポスト の中を見に玄関先まで出て行った。 手紙が来ていたらその日は飛び跳ねるぐらいに嬉しかった。 来ていないと面…

 いつも旬な男の物語(173)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊼」〜

彼女と喋っている間、俺は100円硬貨がどんどん消費されていく音を聞きながら、電 話が切れないように手に硬貨を握りしめていた。 前もって1000円札を売店で両替してもらっていたが、それでもどんどん減っていき、 途中で硬貨が無くなって電話が切れそうにな…

 いつも旬な男の物語(172)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊻」〜

掲示板には二人の名前は載っていなかった。 勉強不足でもあり何となく厳しいかなと俺は思っていたが、目の前に自分の名前が無 いのを見ると流石にガクッときた。 せめて彼女のはという思いで見たが、彼女の名前も無かった。 ひょっとして見落としたのかもと…

 いつも旬な男の物語(171)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊺」〜

二人で切ない気分に浸っていると、遂にバスが到着した。 彼女と俺は握手をしながら「合格は電話で知らせるよ」「ありがとう。二人とも受か ってるといいね」と言葉を交わした。 「じゃあ、またその時」と俺。 「うん、待ってるね」と彼女。 扉が開き彼女はバ…

 いつも旬な男の物語(170)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊹」〜

電車の揺れで微睡からふと目を覚ますと、左肩に軽い重みを感じた。 見ると彼女の頭が俺の肩にもたれかかり、気持ちよさそうに眠っていた。 身体がほぼ密着していたこともあり、彼女の体の温もりも感じ、俺は再び軽くまどろ み始めた。 途中で私鉄から国鉄に…

 いつも旬な男の物語(169)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊸」〜

あまりにも自然の流れに乗って進んでいく有様は、ひょっとして無意識の為せる業だ ったのかもしれない。 まるで小さな子どものように無邪気で、その時の雰囲気がとても心地よくて、自分の 力の及ばない見えない力に誘われて動いているような感覚だった。 高3…

 いつも旬な男の物語(168)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊷」〜

二人で川のほとりを歩いていると、彼女の身体と俺の身体が軽く触れ合った。 昨日知り合ったばかりの女の子とこうやって肩を並べながら川辺を歩いているなんて 一昨日までは全く想像もしていなかった。 昨日も午前中の試験が終わった時、俺が声をかけなければ…

 いつも旬な男の物語(167)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊶」

俺は一人で帰る電車の中で今日一日の出来事に思いを巡らしていた。 「こんな偶然があるなんて信じられない!」 「これは本当にあったことなのか?」 「明日になれば彼女も俺も今日のことを忘れてしまってるんじゃないか」 などなど明日の試験のことではなく…

 いつも旬な男の物語(166)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊵」

同じ電車に乗って彼女の降りる駅までの間もずっと喋っていた。 まもなく彼女の降りる駅が近づいてきた時に、彼女が俺に行った。 「明日、試験が終わったら〇〇に行きたいな」 「うん、いいよ」 「ありがとう。そこは初めてだから川のほとりを歩きたいなと思…

 いつも旬な男の物語(165)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊴」

午後の試験が終わると、彼女は俺の方を見た。 俺も彼女の方に目を遣った。 昼休みに一緒にご飯を食べたことで、二人の仲は昼食前とは明らかに変化していた。 たった1時間のふれあいが二人の間を親密にしていた。 彼女は遠く九州から受験のために出てきていた…

 いつも旬な男の物語(164)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊳」

ブランコに腰を掛けながら二人で昼ごはんを食べた。 何を食べたのか、俺の頭の中ではいろいろな物が浮かんでくる。 近くのコンビニで豚まんを買って食べたのか。 持参したお弁当ー彼女は手作りサンドイッチを持ってきて食べ、俺はおふくろの手作 り弁当ーを…

 いつも旬な男の物語(163)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊲」

二人は一緒にフランス語学科の受験会場に向かって歩いて行った。 その会場の中に入ると、そこは階段式のとても広い講義場だった。 受験番号と座席の位置を確認すると、彼女と俺はかなり離れた場所だった。 講義場の中に入る時に「ありがとう」とお互いに礼を…

 いつも旬な男の物語(162)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊱」

高3の大学受験の時の思い出をここで綴っておこう。 教師との思い出ではないが、俺にとっては胸がキュンとするような淡くて切なくて 砂漠の中で巡り合ったオアシスのような出来事だった。 俺は国立大学の外国語学部(フランス語学科)を受験した。 何故フラン…