いつも旬な男の物語(201)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 75」〜
ほんの2〜3時間でも仮眠を取ると身体のだるさはマシになった。
顔を洗い、白衣を着ると気持ちもシャキッと引き締まった。
仕込みの手伝いをしながら佐兼と俺は少しずつ段取りを覚えていった。
朝は11時に暖簾を出して開店した。
日曜日なのでお客さんのほとんどは観光客だった。
たまに常連さんが食べに来ることもあった。
3月の下旬からバイトをし始めたので、大学に通い始めた頃には店の仕事にもだいぶん
慣れてきた。
元々は厨房での仕事がメインだったが、この頃になると俺はホール周りも任されるよ
うになっていた。
お客さんが殺到すると紺色の法被を着てホール回りの助っ人に入り、洗い物が溜まると
白衣に着替えて厨房に入った。
混む時間帯はだいたい決まっていたが、たまに修学旅行生や団体の観光客がどっと入
って来ることがあった。
そんな時はホールに入るのか厨房に回るのかは俺の判断に任せてもらえた。
最初の頃は社員さんの指示に従って動いていたのが、いつの間にか俺の判断に委ねら
れるようになり、俺は任せてもらえたことに喜びを感じていた.....