いつも旬な男の物語(150)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと」㉕〜

 

  中3の担任は若い女性で数学の石山先生だった。

 

  天地真理のファンで、学校ではドレスのような服装で授業をすることもあった。

 

  毎日、スポーツタイプのクーペで通勤してくる姿がカッコよかった。

 

 

  厳しくもあり、面白くもあり、生徒目線で触れ合ってくれた。

 

  印象に残っていることはたくさんある。

 

  

  まずは夏休み直前のアイスクリームの思い出だ。

 

  まもなく夏休みに入ろうとしていたある日のことだった。

 

  学活の時間にみんなで近くの堤防に行こうということになった。

 

  

  歩いて15分ぐらいはかかり、真夏でもありとても暑い日だった。

 

  俺は仲間と後ろの方を歩いていたら、突然石山先生に声をかけられた!

 

  「如月くん、暑いからアイスクリームを人数分買ってきて!」

 

 

  俺は仲間と大喜びし「いいよ」と何人かで近くの駄菓子屋さんに行った。

 

  50個近いアイスクリームを持って、みんなが待ってる堤防まで行くと「やった〜」と

  いう歓声が起こった。

 

  それぞれが1本ずつ取って口に入れた。

 

  俺も1本取り出して口に入れると、口の中に冷たさが拡がり、暑さが吹き飛ぶぐらいに

  身体がシャキッとした。

 

  何本か余ったので、お使いをした俺たちがもらえた。

 

 

  多分、明日から夏休みが始まり、だらけることなく受験勉強にしっかり力を入れてほ

  しいという石山先生の期待が込められていたんだろうなぁ.....