2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
俺は自分の中のわだかまりを洗いざらい喋った。 教師を辞めようかなと考えたこともあるということも話した。 伝えたいこと、いや正確には言いたいことかな。 いや、もっとズバッといえば俺の愚痴・不満の様なもの(見方によれば俺の勝手な言 い分かもしれな…
「実は...」俺は生徒の方を向きながら話し始めた。 「実はみんなに話したいことがある。すまないが、今日は英語の授業はやらない。とに かく俺の話を聴いてくれ」と俺は最初の言葉を放った。 横を向いている生徒がいたら前を向くように言った。 それまで少し…
昨夜は気分が高揚し過ぎたお陰であまりよく眠れなかった。 それでも、今朝は何か清々しい気分だった。 昨日、富田先生に相談したら「パチンコに行って来い!」という俺にとって最適なひ と言をいただいた。 その言葉に甘え、1日学校を休んでパチンコに精を…
入浴後から就寝までの時間、あれこれ思案した結果辿り着いた結論は... 俺の思いを生徒たちに打ち明けることだった! 俺は副担任なので学活で話をすることができなかった。 となると話をするのは自分の英語の授業だけだった。 「よし、明日の自分の副担任のク…
夕食を終えて自室で寛いでいると、昨日までとは違って心が少しずつ軽くなってゆく 感じがした。 あの何とも言えない重苦しくて、一度捕らえられたら抜け出せない蟻地獄に入り込ん だような気分は雲散霧消していた。 まさしく、目の前の霧が晴れて視界が大き…
朝、富田先生に相談をしてから時間的には30分も経っていなかったと思う。 憂鬱な気分が清々しい気分になり「さあ、家に帰ってパチンコに行くぜ」と俺は心の 中で呟いていた。 「これで急場は凌げた。あとはまたその時考えればいいや」というその場凌ぎの安易…
「そうか。ところで、如月さんはパチンコするのか」唐突に富田先生。 「はい、学生の頃はよく行きました」富田先生の意図が読めずに答える俺。 「よし、じゃあ今からパチンコに行ってこい!」笑いながら富田先生。 「えっ!?」戸惑う俺。 「今日は学校休んで…
富田先生に言われるまま俺は2年生の校舎に向かい、1階から3階まで走り抜けながら 教室にいる生徒に「早くグランドに行け!」と声をかけて回った。 3階まで行き、再び折り返し1階まで声をかけながら降りて行こうとして、3階のあるク ラスの前を通った時だった…
先輩から言われた通り俺は学年主任の富田先生に相談に行った。 でも、俺の中では相談というよりは辞めることを伝えにいくつもりだった。 富田先生と話したのは五分ぐらいだったと思う。 朝の慌ただしい時間帯で、深く話はできなかった。 たまたまその日は1時…
先輩に相談に乗ってもらい半日もの間話をしたが、俺の気分はスッキリとはしなか った。 しかし、そのお陰様で次の道筋だけは決まった。 朝日を浴びながら電車のシートにもたれていたが、眠気は感じなかった。 自宅に着いて顔を洗ったら、直ぐにまた電車に乗…
先輩との楽しい夕食のひとときが終わりに近づくにつれ、俺は次第に気分が重くなっ ていった。 俺の表情を察して先輩は「じゃあ、ちょっと僕の家で話の続きをしようか」と言った。 その言葉で俺はまたもや気分が変わった。 まるで、行き止まりに出くわした時…
しかし、それから数ヶ月経って俺たちの代だけの親睦会で会ったときの先輩は、逞し く精悍な表情をしていた。 そう、仕事を終えてから帰りに道場に通って稽古をし、やっと黒帯を取ったのだった。 黒帯を取ってからは、生徒たちから一目を置かれ殴られたりする…
現金なもので、次の目標が決まると俺はルンルン気分で先輩の住む所へと急いだ。 バスに乗り先輩の住所を頼りに近くまで行き、電話をかけた。 先輩の声が聞けた時は安堵の気分でホッとした。 彼は大学のゼミの先輩で、年は俺より10歳ほど上だった。 先輩と言…
ゴールデンウィークの最後の1日が丸っぽ休みとなり、俺は大学時代にバイトをしてい たレジャーランドにぶらっと足を運んだ。 何とも言えない悶々とした時間を家で過ごしたりしても、どんどん負のスパイラルに 落ち込んでゆくだけだと感じ、古巣のバイト先で…
夢に描き続け、憧れていた教師という仕事が想像と現実の違いに出会って、少しづつ 俺の心に空虚感が漂い始めていた。 ゴールデンウィークが近づいてくる頃には、ストレス過多がピークに達しようとして いた。 ゴールデンウィークが始まると春の大会があり、…
若さの持つ無尽蔵のエネルギーとガタイの良さを武器に行う力づくの授業。 俺の授業はそんな要素が多かったのかもしれない。 思うように行かない授業と思うようにできない副担任という現実の中で、俺は次第に ストレス過多に陥っていった。 他にもストレスが…
自分の好きなように組み立てて展開できる英語の授業にも俺は少し自信を失いかけて いた。 思い通りにできない副担任ではもの足りないのに、思い通りにできる英語の授業にも 自信が持てなくなってきた。 担任はできないが、授業では立派な教科担任だ! その授…
朝の職員室で生徒が担任の先生の名前を呼ぶ声を聞くたびに「担任になりたいなあ」 という思いが次第に強くなっていった。 同時に「副担任って、いつも教室の後ろに立ってるだけで、全然面白くない」という 思いも強くなっていった。 副担任には副担任として…
職員会議の冊子を見て自分が2年の副担任だとわかり、ガクッと首をうなだれそうにな った。 「教師になって担任をしたら...」というように、採用前は教師になることは担任をする ことだと思っていた。 教師には副担任というものはないと思っていた。 いや、俺…
公立中学の教師としての歴史が4月1日から始まった。 数日間の研修を終え、いよいよ赴任校での教師生活が始まった。 と言っても春休みなので授業はなく、生徒は部活で来ているだけだった。 最初の職員会議が始まり分厚い冊子を配られた。 その中には教職員…
タイトルの「先生」とは俺のことではない。 俺が教師として最初に赴任した中学の先生のことだ。 大学を卒業して俺は中学の教師になった。 4月1日に某会館で辞令を受け、その辞令を持って赴任先の中学校に行った。 校長先生に辞令を手渡し、正式にその中学…
1970年(昭和45年)俺が小学生の時の社会の教科書には、世界の人口が33億人と 書いてあったのを覚えている。 今でも強烈に覚えているのは、社会のテストで満点を取ったからだ。 思えば、あの頃は約33億通りの生き方があった。 あれから53年経って今は約80億…
地球に80億人いたら、80億通りの生き方がある。 一人しかいなければ、一人だけの生き方がある。 何人いようが、人の生き様は人の数だけある。 今日の毎日新聞に有害図書規制についての記事が載っていた。 性描写・暴力シーンなど過激なものは青少年の健全育…
テラス席で心地よい風を受けながら、話が弾みキョンキョンの話題へと展開していっ た。 キョンキョンが数年前に出したエッセイ集を家内が読んでいて、そのエッセイの内容 について俺が色々と質問を投げかけながら、おしゃべりをした。 小さい頃から家族の中…
女店員さんはテラス席へお客さんを案内したのが初めてだった。 何を注文するかをメニューを見ながら考え、チャイムを鳴らした。 別の女店員さんがやってきて、俺たちは注文した。 妻は特製パンケーキとアイスコーヒーで、俺はアイスコーヒーだけだった。 二…
今日、妻と郊外の喫茶店に行って来た。 とあるモール内にあるカフェで、とても繁盛していた。 三番目の待ちだったので、店のぐるりを二人で歩いてみた。 すると、店の西側にテラス席があるのに妻が気づいた。 名前を呼ばれた時に「テラスでお願いします」と…
「いし」って何と聞かれたら? 石屋さんとっては石だろう。 医者にとっては医師でしょう。 心理学者にとっては意志かも。 こんな感じでひとりで言葉遊びをやるのが俺は好きだ! 頭の体操にはもってこいで、語彙力を高めることもできる。 建築関係の人にとっ…
二人の激しい意見のぶつかり合いの後に到達した考えの一致により、お互いに深く納 得した。 それは日本人の長い歴史と生物学的な男女の差異を十分に理解できたからこそ到達し た境地だ。 男は女より力が強い。 力仕事は男の役割だと生物学的には決まっていた…
そして、今では妻といろんなテーマで話し愛(話し合いではない)をすることも多 くなった。 「話を聞かない男、地図を読めない女」という本のことが妻と俺の間で話題になった。 そこから、男とは...女って...という方向に話が広がっていった。 〝男は一つの…
かつて「話を聞かない男、地図を読めない女」という本がよく売れた。 俺も書店で手に取って立ち読みしたことがある。 全てに当てはまる考え方ではなく、男女の性差からくる一般的な男性・女性像の特徴 を捉えた表現だ。 この頃から、心理分析や性格分析的な…