いつも旬な男の物語(166)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊵」

 

  同じ電車に乗って彼女の降りる駅までの間もずっと喋っていた。

 

  まもなく彼女の降りる駅が近づいてきた時に、彼女が俺に行った。

 

  「明日、試験が終わったら〇〇に行きたいな」

 

  「うん、いいよ」

 

  「ありがとう。そこは初めてだから川のほとりを歩きたいなと思ったの」

 

  「俺は何度か行ったことがあるから案内するよ」

 

  「嬉しい!明日が楽しみ!」

 

  「俺も楽しみ!」

 

  「まずは試験頑張ろうね」

 

  「うん、もちろん!」

 

  「じゃあまた明日ね!」

 

  「うん、また明日!」

 

  

  電車がホームに入り扉が開いた。

 

  彼女は軽く手を振り俺も手を振って応えた。

 

  扉が閉まり電車が動き出した。

 

  彼女の姿が見えなくなるまで俺は手を振り、彼女もずっと手を振っていた。

 

 

  彼女との楽しい語らいのひとときが過ぎると、俺は何となく寂しくなった。

 

  もっと一緒にいてもっと彼女とふれあっていたいのにできないもどかしさと、別れた

  くない愛しさを感じた。

 

  それでも、明日まだ試験があるという緊張感と、それが終われば彼女と一緒に身体を

  触れ合わせながら歩けるという喜びが俺に活力を与えてくれた.....