いつも旬な男の物語(174)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊽」〜
遠距離文通しながら彼女と俺はお互いの近況を伝え合っていた。
彼女からの手紙が待ち遠しく、郵便屋さんのバイクの音が聞こえるたびに俺はポスト
の中を見に玄関先まで出て行った。
手紙が来ていたらその日は飛び跳ねるぐらいに嬉しかった。
来ていないと面白くなかった。
受け取った封筒が1cmぐらいの厚さの時もあった。
封を開けてみるとカセットテープが入っていた。
そこには当時彼女がよく聴いていた曲がダビングされていた。
俺も自分が好きだった曲をダビングして送った。
そんな楽しい二人のやり取りは最初は週に2〜3回あり、彼女の手紙のお陰で俺のモ
チベーションが保たれていた。
しかし、それが週に1回になり1ヶ月に1回となり次第に間隔が長くなっていった。
そして、いつの間にかお互いのやり取りが無くなっていった。
今、思い返してもはっきりとした理由はわからない。
お互いに手紙を書くのが忘れるぐらいに勉強の方が忙しくなってしまったのか...
自然に音信が途絶えてしまった。
当時の言葉で言えば自然消滅ということになる。
自然な成り行きで彼女と出会い、自然の流れのままに彼女と離れていった。
切ない気分を感じながら俺は過ごすこともあったが、その切なさや寂しさも時が少し
づつ和らげ溶かしてくれていった.....