いつも旬な男の物語(169)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊸」〜
あまりにも自然の流れに乗って進んでいく有様は、ひょっとして無意識の為せる業だ
ったのかもしれない。
まるで小さな子どものように無邪気で、その時の雰囲気がとても心地よくて、自分の
力の及ばない見えない力に誘われて動いているような感覚だった。
高3の時に友だちとこの川岸を歩いたような気もする。
でも、彼女とこの時一緒に歩いたのが初めてだったのかもしれない。
人生で初めての大学入試で出会った女の子と初めて歩いた場所は俺には濃い思い出と
なって深く心に刻まれている。
身体がふれあう近さでいろんな話をしながら歩いていたら、いつの間にか辺りは暗く
なっていた。
往復で1時間以上は歩いていた。
楽しさのあまり周りの様子は目に入ってはいたが、見えていないかった。
駅まで戻り俺は彼女を泊まり先の最寄り駅まで送って行くことにした。
途中で国鉄に乗り換え目的の駅までは1時間半ぐらいだった。
私鉄は二人が乗る駅が出発点だったので隣同士に座ることができた。
車内では川岸を歩いた余韻が身体に残り、その余韻と電車の振動がとても心地よく感
じられた。
その心地よさに少し眠気が誘われ、いつしか二人ともウトウトまどろみ始めた。
電車の揺れにふと目を覚ますと、俺の左肩に.....