いつも旬な男の物語(175)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊾」〜

 

  彼女のことはほとんど思い出すことはなかったが、このブログを書くにあたって偶然

  振り返ることができた。

 

  当時の手紙やお守りは多分もう俺の手元にはないかもしれないが、記憶に刻まれた思

  い出は振り返れば振り返るほど鮮明に思い出されてくる。

 

 

  俺の中では彼女は恋人だった。

  

  初めて出会った時からそんな気がしていた。

 

  一緒に受験教室を探したり、お弁当を食べたり、手を繋いで川辺を歩いたり、記念に

  なるものを渡し合ったり、文通をしたり...

 

 

  まさしく心のつながり、精神の交わりが大半を占め、体のふれあいは唯一手を繋いだ

  時の掌同士の温もりと肉の感触だけだった。

 

  

  高2の時に好きな女の子と偶然保健委員になった。

 

  そして、委員会があるたびに席が隣同士になり、授業の時よりも彼女を近くに感じる

  ことができた。

 

  その時は半径1m足らずの彼女と俺の二人だけの空間をひとりで満喫していた。

 

  人知れず俺はその心地よさを味わっていた。

 

  その頃の俺の彼女に対する思いは恋愛の前の助走期間だった。

 

 

  それから時が過ぎ、受験時に出会った彼女に対する俺の思いは生まれたての恋愛だっ

  た。

 

  肉体の交わりはもちろん身体を抱きしめあったりキスをしたりさえなかった。

 

  手を握ることが精一杯の体のふれあいだった。

 

  精神的なつながりのみの恋愛だからこそ清らかな思いが心を満たしている。

 

  まさしく純愛だ!