いつも旬な男の物語(167)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと㊶」
俺は一人で帰る電車の中で今日一日の出来事に思いを巡らしていた。
「こんな偶然があるなんて信じられない!」
「これは本当にあったことなのか?」
「明日になれば彼女も俺も今日のことを忘れてしまってるんじゃないか」
などなど明日の試験のことではなく、彼女とのことばかり考えていた。
翌日も同じ会場で試験があり、前日よりも少し早めに終わった。
二人は一緒に受験会場を出て、彼女の望む場所へ電車を乗り継いで出かけた。
やっと受験が終わったという解放感に満たされ、今やりたいことができるんだという
自由を味わっていた。
1時間半ぐらいかけて目的の川ににたどり着いた。
到着した時は日もかなり西に傾き、辺りは少し薄暗く感じた。
デートコースと散策にはもってこいの川岸には散歩したり、カップルで土手に腰を掛
けて何かを語り合ったりしている姿がちらほら目についた。
俺たちも岸に降りて並んで歩き始めた。
周りから見たら俺たちは高校生の恋人同士に映っていただろうなあ。
俺は彼女の右側で川側に位置しながらのんびりとデート気分を味わいながら歩いた。
どんな話をしたかはあまり覚えていないが、多分今日の試験の感触や今後のことなん
かだったと思う.....