いつも旬な男の物語(73)〜男と女の違い④〜

 

  二人の激しい意見のぶつかり合いの後に到達した考えの一致により、お互いに深く納

  得した。

 

 

  それは日本人の長い歴史と生物学的な男女の差異を十分に理解できたからこそ到達し

  た境地だ。

 

 

  男は女より力が強い。

 

  力仕事は男の役割だと生物学的には決まっていた。

 

  だから、男たちは外で狩りをして獲物を仕留め、みんなで分け合って自分の取り分を

  家に持ち帰る。

 

 

  男が狩りをしている間、女はこどもを育てたり家事をする。

 

  男が狩りから帰ってくると、女はその獲物を料理し家族みんなで食べる。

 

 

  大昔は男女の役割分担というのは、こんな感じでバランスが取れていた。

 

  まして大家族だったら、じいちゃん・ばあちゃんもいたりで、みんなで助け合いなが

  ら生活していたんだろう。

 

 

  ひょっとして、大家族の場合は母が家事を行い、祖父母が孫の世話をしていたのかもし

  れない。

 

  日本の昔話は「昔昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました...」で

  始まり、お父さんとお母さんの存在があまり感じられない。

 

  お父さんとお母さんは若いので体力もあり、朝早くから太陽が沈むまで外で畑仕事をし

  ていたので、子育てはおじいちゃんとおばあちゃんに任せていたのかもしれない。

 

 

  今まで綴ってきたことは、全て俺が思っていること。

 

  学問的に確固とした裏付けがあるのかどうかはわからない。

 

  でも、色々考えてゆくと昔は、いやひと昔前は、ひょっとしたら戦前まではそうだった

  のかなあと感じている。

 

 

  だからと言って、今もそうあるべきだとは思っていない。ものが豊かになり、便利な世

  の中になり、人間の知恵と科学の進歩のお陰様で今に至っている。

 

  便利なものは取り入れ、役に立つものは利用し、今を生きるのに必要なものはどんどん

  受け入れてゆく。

 

  そして、時代を超えて生き残ってきた素晴らしいものはどんどん活用していくのが今に

  最も相応しい生き方なのではないだろうか。