いつも旬な男の物語(92)〜先生の言葉に救われた⑬〜
先輩から言われた通り俺は学年主任の富田先生に相談に行った。
でも、俺の中では相談というよりは辞めることを伝えにいくつもりだった。
富田先生と話したのは五分ぐらいだったと思う。
朝の慌ただしい時間帯で、深く話はできなかった。
たまたまその日は1時間目が全校集会だったので、富田先生は俺に生徒の追い出しを
命じた。
「如月さん、声出して生徒を追い出して来い!声だぞ!」と富田先生は俺に檄を飛ば
した。
「わかりました」と気が進まない面持ちで俺は2年生の校舎へと向かった。
俺は2年生の教室が集まっている棟に行き、1階から3階まで大声を張り上げながら
走り回った。
まずは1階の3クラスから小走りになりながらもクラスの前に来ると立ち止まって
「早くグランドに出ろ!」と大きな声で生徒に声をかけた。
「は〜い」と返事をしたり、無言で俺の方を見ながらおしゃべりを続けたり、直ぐに
行動に移したりと反応は様々だった。
そんな感じで3階まで声をかけ、それから再び3階から1階に向かって声をかけながら
降りて行こうとした。
さっきは「は〜い」と返事をした生徒がまだいたので「仕方がねえなあ」という思い
で「早くしろ」と言って出て行くのを待った。
それから急いで隣の教室へ行き、そこにいた生徒に声をかけようとしたら.....