いつも旬な男の物語(86)〜先生の言葉に救われた⑦〜

 

  夢に描き続け、憧れていた教師という仕事が想像と現実の違いに出会って、少しづつ

  俺の心に空虚感が漂い始めていた。

 

  

  ゴールデンウィークが近づいてくる頃には、ストレス過多がピークに達しようとして

  いた。

 

 

  ゴールデンウィークが始まると春の大会があり、俺が顧問をしていた部活動は早々と

  負けて1日だけ丸っぽの休みができた。

 

  学校から解放された自由な時間ができたことで俺のストレスは更に積もった。

 

  人は自由な時間ができると嬉しいものだが、精神的にしんどい時には逆に忙しい方が

  気分的には楽だ。

 

  忙しい方が気が紛れるから。

 

  

  休みの最後の1日をどう過ごそうかと考えた時、学生時代にバイトしていたレジャー

  ランド(スポーツと遊園地が合体したようなレジャー施設)に行こうと決めた。

 

  そこではオープン前からスタッフとして働いていた。

 

  俺の担当部署は三輪バギーのインストラクターだった。

 

 

  三輪バギーなんて聞いたことも見たこともなかったが、生来が新しいもの珍しいもの

  好きな性格なのと、モータースポーツが好きだったのもありその仕事にのめり込ん

  だ。  

 

  そこに配属されたバイト仲間はみんな初めての経験だったけど、お互いに指導方法や

  運転技術を磨き合いながら、日に日に上達していった.....