いつも旬な男の物語(80)〜先生の言葉に救われた①〜

 

  タイトルの「先生」とは俺のことではない。

 

  俺が教師として最初に赴任した中学の先生のことだ。

 

 

  大学を卒業して俺は中学の教師になった。

 

  4月1日に某会館で辞令を受け、その辞令を持って赴任先の中学校に行った。

 

  校長先生に辞令を手渡し、正式にその中学の教師となった。

 

  その後、再び研修先に向かう時、校内で部活動をしている部員に出会った。

 

  その生徒と「こんにちは」と挨拶を交わした時、俺は本当に教師になったんだと実感

  し、身体が少し熱を帯びるのを感じた。

 

  

  新採用なので4月の数日間は教育委員会主催の研修会が目白押しだった。

 

  家庭教師ではなく、塾の講師でもなく、教育実習生ではもちろんない。

 

  正真正銘の公立中学の教師としての歴史がこの日から始まった.....