いつも旬な男の物語(195)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 69」〜

 

  両親に結果を報告した時、おやじは俺の表情が曇っているのを見て取り即座に言った。

 

  「もう、受かった大学のどこかへ行け」と。

 

  「わかった」と俺は力無く言い、文学部の英文科に進学することに決めた。

 

 

  宅浪と予備校時代に学んだことも大きかった。

 

  

  宅浪中は学生でも社会人でもないという全くの宙ぶらりん状態で、自分は何者なのか

  というアイデンティティの位置付けに悩んだ。

 

  また、日中行動の柱というものがなく、毎日を自由気ままに過ごせるという中で、生

  活のリズムをどうして整えるかについても悩んだ。

 

  しかし、その悩みも図書館で受験勉強をしたり、友だちと喫茶店で喋ったり街をぶら

  ついたり、本屋で立ち読みしたり、気に入った店で衣服を買ったりして紛らわせてい

  た。

 

  何かに悩んだ時は、別の何かで気を紛らわすことで束の間の解消にはなるということ

  を宅浪で学んだ。

 

 

  予備校時代は、生活のリズムは学校の授業を柱に据えることができたので、心配はな

  かった。

 

  心配があるとすれば.....