いつも旬な男の物語(113)〜先生の言葉に救われた㉞〜

  生徒からの相談で話が前に進まず「このままでは負の無限ループに陥ってしまう」と

  思ったらどうするか?

 

  その答えは富田先生が俺に教えてくれた。

 

  短い言葉で端的に放つこと!

 

  「パチンコに行って来い!」だ。

 

 

  この域に達するには必要な要素がある。

 

  一つは、自分の人生の中で様々な経験をしてきたこと。

 

  一つは、人からどれぐらいの相談を受けたかという件数の多さ。

 

  一つは、相談者の好きなこと・趣味などを知っていること。

 

  一つは、相談者の性格がだいたいわかっていること。

 

  一つは、相談者の心の波を感じ取り「ここ!」というタイミングで最適な言葉を放て

  ること。

 

  

  この五つがあれば、富田先生のように最短時間の話で最適な言葉を即座に放つこと

  ができる。

 

 

  富田先生の経歴からすると、2つのことを除いた3つのことは既に実体験として積み

  重ねた蓄積があった。

 

  俺の性格・俺の好きなことがパチンコだということを彼はこの1ヶ月間で見抜いた。

 

  まあ、パチンコが好きなことぐらいは教師同士で喋っている時に知ることはできる

  からなあ。

 

 

  でも、上記の五つのことを経験として持っていたとしても、それらを機能的に絡み合

  わせてタイミングよく最適な言葉を放つのは至難の技だと思う。

 

  そこが、富田先生の凄さだと俺は感じている。

 

 

  「パチンコに行って来い!」という富田先生の言葉に俺は救われた。