いつも旬な男の物語(109)〜先生の言葉に救われた㉚〜

 

  まあ、言わば俺は生徒の応援団長みたいなものだ。

 

  教師になって十数年経った頃、部活の生徒たちと交わした個人ノート(心のノート)

  のコメントの最後には「おまえの応援団長より」という言葉を記すようになったのも

  この激動の4日間から学んだことが無意識のうちにペンを握る俺の手に伝わっていた

  のだろう。

 

 

  俺の教師ほやほやの時期に陥った悩み・苦悩を30回に渡って綴ってきた。

 

  今思い返しても、ありありとその時の情景が蘇ってくる。

 

 

  じっと家にいると重圧感に押し潰されそうになる苦しさか自らを解放しようとして訪

  れた懐かしいレジャーランドの活気。

 

  明日は学校だと思うと沈みがちになる気分の中で先輩に電話をして、晩御飯を食べた

  食堂の雰囲気。

  

  夕食の後、酒を飲みながら朝まで語り合った先輩の部屋。

  

  通勤電車を降りて、学校に向かう途中歩きながら生徒たちとあいさつを交わした公園。

 

  富田先生に打ち明けた時の職員室の風景。

 

  クラスで俺の思いを語っている俺を見ている生徒たちの真剣な眼差し。

 

  学年集会で熱を帯びながら夢中で喋っている俺の話に大笑いしてくれた生徒たちの様

  子。

 

 

  教師生活だけではなく、どんな時でも壁にぶち当たったときは、この激動の4日間がふ

  と脳裏に浮かんでくる。それほど俺にとっては強烈な出来事だった。

 

  そこから俺は見事に立ち上がり始めた。

 

 

  富田先生に最初に相談に行き10分ぐらい喋ったら、校舎にいる生徒に声をかけながら

  グランドに出るように行ってこいと言われて職員室を出た。

 

  生徒の追い出しから職員室に戻って再び富田先生のところに行った時、俺は大声で声か

  けをしていたが途中で声が出なくなったと伝えた。

 

  その時、富田先生は.....