いつも旬な男の物語(108)〜先生の言葉に救われた㉙〜
激動の4日間の中で俺は多くのことを学んだ。
この経験で学んだことはいっぱいあるが、その中でも俺の根幹をなすものは「情熱と
誠意をもって迅速に対応する」という教師としての方針だ。
情熱とは「初心」のことだ。
俺が教師を目指すことになったきっかけから始まり...
何故なりたいのかと自分に問いかけ...
本当になりたいのかと更に突っ込み...
揺るぎない確信へと深まり...
「俺は教師だ!」という自覚が芽生えた。
迷いや悩みが生じた時は常にこれを思い出すことにしている。
誠意とは相手を思いやり、相手の話にじっと耳を傾け、時に相手の立場に自分を置き
ながら対峙することだ。
教師になりたての頃は話の途中で自分の考えを述べ、それに従わせようというきらい
が俺にはあった。でも、経験を積むほどに俺も少しずつ傾聴ができるようになり、そ
の大切さもわかるようになってきた。
迅速とは相手の話に傾聴しながら、俺の考えや思いを絡め、そこから1本の糸を紡いで
ゆくことだ。しかし、俺の考えや思いは最小限にして、生徒自身の力で紡いだと感じ
てもらえることが目標だ。
生徒は自分の答えを持って相談に来ることがある。そういう時は、話を聴きながら頃
合いを見て、背中を軽く押してあげる。もちろん、生徒の考えが揺れている場合は、
その揺れが何からきているのかを考えられるように軽く問いかけて、自分でその揺れ
に気づかせるようにしている。できる限り自分の頭で考え、自分で結論を導き出した
と実感できるように持ってゆく。俺はただ生徒が決めたことを行動に移せるようにす
るだけ。
まあ、言わば俺は.....