いつも旬な男の物語(34)〜教師に憧れて㉞〜
終わりの会が済むと、教室の掃除が待っていた。
毎日、その日の掃除当番の班が教室やトイレの掃除をすることになっていた。
この掃除の時間も俺には楽しみだった。
ここでも授業や休み時間では見られない素の生徒たちに出会えるから!
ひたすら黙々と掃除に専念する生徒もいれば、自分を待ってくれている友だちと喋りな
がら楽しそうに掃除する生徒もいた。
初めて生徒といっしょに掃除をした時は、生徒にやり方を教えてもらいながらいっしょ
に行った。
「掃除用具はどこにあるの?」「あそこ」
「先生は何をしたらいい?」「みんなが掃き終わったら机と椅子を動かして」
など、自然な流れに添いながら俺が話しかけると答えてくれた。
また、人懐っこい生徒は自分から声をかけてくれた。
「先生、どこから来たの?」
「このクラスどお(どう思う)?」
「いつまでいるの?」
など積極的に話しかけてくれるので、俺は緊張感がほぐれ自然に親近感も増していった
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