いつも旬な男の物語(33)〜教師に憧れて㉝〜

 

  生徒にとって1日の始まりである朝の会は、俺にとっても彼らと心を通い合わせる

  貴重で素敵なひとときだった。

 

 

  その時の彼らとのやりとりが、その日の俺の気分を左右すると言っても過言ではなか

  った。

 

  本田先生から朝の会を任されたことで、俺は身に染みて感じた。

 

 

  朝の会と同じぐらい楽しかったのはもう一つある。

 

  それは終わりの会だった!

 

 

  1日の授業が終わり、放課後には部活動が待っていた。

 

  部活に入っていない生徒は帰宅していた。

 

 

  その時間帯になると生徒は解放感に包まれ、朝とは違った表情が見られた。

 

  この時のエネルギー溢れる彼らもまた別の素の自分だった。

 

 

  そこには憂鬱そうな顔・不安そうな顔・悲しそうな顔・今にも怒り出しそうな顔はな

  かった。

 

 

  「さあ、今から自分の好きなことができる時間だ!」という喜びが漲っていた.....