いつも旬な男の物語(46)〜教師に憧れて㊻〜
帰りの電車の中でほろ酔い気分に浸りながら、俺はこの2週間のことを振り返ってい
た。
・「え〜〜〜〜〜っ!」
実習初日に全校生徒に紹介され、彼らの口から大きなどよめきが起こった。英語の先
生には見えず、体育の先生かと誰もが思っていた...
・「ツータッグのズボンは履かないでください」
生徒指導の先生からツータッグの入った黒のスラックスを注意された...(俺の母校で
は教師がタッグの入ったスラックスを履いていると、生徒が真似をするという理由で
注意を受けた)
・「うわっ!」
10年ぶりの母校の教室と机がとても小さく感じられた...(それだけ俺が大きくなった
ということか!?」
・顔は紅潮し、声が少し震え気味
初めて教壇に立った時、待ちに待った時がやってきたという喜び以上に緊張感の方
が勝っていた...
・「えっ!?ほんとかよ!」
生徒会新聞に貼られていた実習生の写真が全てその日のうちになくなっていた...(生
徒たちは若い実習生にお姉さんお兄さん的なものを感じ取り、親近感を持ってくれて
いた)
・「せんせい、彼女いるの?」
放課後に実習生控え室で生徒たちとふれあう時間は、まるで自分の弟や妹のようにか
わいく思え感じ、最高に楽しかった.....