いつも旬な男の物語(193)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 67」〜
そろそろ残り時間が半分ぐらいかなと思って腕時計にチラッと目をやった。
すると、残り時間はあとわずかだった!
完全に時間を読み違えていた。
あと半分あると思っていた時間は10分ほどだった。
まだ手をつけていない問題は半分近くあった。
焦っても仕方がないことだが、兎に角空欄を埋めることだけを考えてサッサっとスキ
ャンするが如くに問題を解いていった。
残り2〜3分になったら、もう当てずっぽうで書いた答えもあった。
もちろん見直しをする時間なんてなかった。
もう、初っ端の英語で躓いた。
一縷の望みを託しながら国語・世界史を受けたが英語の時間配分のミスで結果につい
てはあまり期待していなかった...
そして、いよいよ本命の国立大学受験の日がやってきた。
春と言ってもまだ三月の上旬だったので寒さは厳しかった。
受験生は誰もがコートを着て会場にやってきていた。
大学に足を入れると「ここが本命だ!」と自分の中で呟きながら受験教室へと向かっ
た。
英語と世界史が受験科目だったが、世界史の勉強が最後までやりきれていなかった。
よくわかっているところが出ればなんとかなるとは思いながらの本番だった.....