いつも旬な男の物語(103)〜先生の言葉に救われた㉔〜
生徒の感想文を読んでいると、涙が溢れてきた。
「俺の話を聴いて何でもいいから自分の今の気持ちを書いて欲しい。こんなことを書
いたら馬鹿にされるんじゃないか。成績に入るかもわからないから、ありきたりの感
想を書こう。なんて考えずに正直に書いて欲しい。何を書いても馬鹿にもしないし、
成績にも入れない。何も心配しないで書いてくれ」と生徒たちに伝えてから書いても
らった感想文。
その感想文は今俺の手元にはない。
10年程前に新採で教師になった女の子がクラスのことで悩んでいた時に俺が貸してあ
げて、今も彼女の手元にある。
少しでも彼女の教師としてクラスや生徒たちのためになればという思いで見せたら「
しばらく借りてもいいですか」と言ったのでそのまま貸したままだ。
彼女の悩みは俺とは違うかもしれないが、教師になってまだ2年目の彼女には何らか
のヒントになると思う。
俺たちの頃と今では教師に対する世間の見方や教師を取り巻く環境も大きく変わって
きている。
周りが変わっても、たった一つ変わらないものがあれば、どんな世の中になろうと大
丈夫。
そのたった一つのこととは「何で自分は教師になったのか」という自分への問いかけ
に対する自分の答えを持っているかどうかだ。
今、教師をしながら悩みを抱えている人、これから教師になろうとしている学生た
たち、どんな仕事をしようかなと迷っている人たちに言いたい。
これからは.....