いつも旬な男の物語(105)〜先生の言葉に救われた㉖〜

 

  当日の朝、いきなり富田先生から「今日の学年集会でなんか喋れ!」と言われ即答で

  「はいっ、わかりました!」と返事したものの何について喋ろうかと考えていた。

 

  すると、同僚の先生から「如月先生の中2の頃の話をしたらどうですか?」と言われ

  た。

 

  「そうか!生徒たちと同じ中2の頃の話をすると興味を持って聴いてくれるかも」と

  思い、同僚の先生に「そうします、ありがとうございます」と礼を言った。

 

 

  そして、学年集会の時間が来た。

 

  「今日は如月先生に中学時代の話をしてもらいます...」という司会の先生に紹介され

  て俺はマイクを握った。

 

  2年生の生徒数は500人近くいたので、まるで講演会で話をするような感じだった。

 

  こんなに大勢の人の前で喋るのは初めてだったので、最初は緊張した。

 

  「どんな話なんだろう」と楽しみにしている生徒もいれば、隣同士でペチャクチャ喋

  っている生徒もいたり、退屈そうにしている生徒もいた。

  

  少しザワザワしていたが、その方が俺には話がしやすかった。 

 

 

  出だしは忘れたが、話をしていくうちに緊張がほぐれ話が熱を帯びてきた。

 

  まるで、セミナー講師の独演会のように俺は自分の話に夢中になっていった.....