いつも旬な男の物語(102)〜先生の言葉に救われた㉓〜

 

  俺が生徒たちからどう思われているかは、彼らの感想文にいっぱい詰まっていた。

 

  早くその中身が知りたいという気持ちのお陰で、他のクラスの授業も苦にはならなか

  った。

 

  そう。他のクラスの授業だ。

 

  ということは、もちろん副担任のクラスでやった特別授業も苦ではなかったというこ

  とだ。

 

 

  この日の勤務を終え、帰宅して夕食を摂ってから一枚ずつ丁寧に感想文を読み始め

  た。

 

 

  「先生がそんなに悩んでるとは知らなかった」

 

  「副担任は担任の縁の下の力持ちで、立派な仕事だと思います」

 

  「先生はあまりにもこだわりすぎる」

 

  「生徒の前で先生の悩みを打ち明けた先生は、如月先生が初めてです。こんな先生も

  いるんだと思いました。先生、出世するよ」

 

  「先生は自分の時間を使って自分の好きな話ができますが、私たち生徒は自分の思い

  を話したくてもそんな時間がありません。先生はそれで気がすんだかもしれませんが、

  そんな生徒の気持ちもわかってください」

 

  「この学校の先生はやんちゃな生徒には親しく話しかけたりしますが、僕のようにほ

  とんど目立たない生徒には誰も声をかけてくれません。僕みたいな生徒にももっと話

  しかけて欲しいです」

 

  「先生がなんで悩んでるのかよくわかんない。って言うか考え過ぎ」

 

  「先生が本音を私たちに語ってくれて嬉しかった」

 

  

  など、まだまだ書き切れないが誰もが素直に自分の思いを書き綴ってくれていた.....