いつも旬な男の物語(25)〜教師に憧れて㉕〜

  

  教育実習のお願いに上る時、ほとんどの人はスーツ姿で行くと思う。

 

  でも、俺は何を思ったかアロハシャツを着て、ビーチサンダルで向かった!

 

  

  何でそんな格好で行ったかわからないが、当時の教師から見たら無礼で生意気な奴だ

  と思われただろう。

 

 

  実習は大学5年の6月初旬から2週間の日程で行われた。大学と同じで毎日電車で通う

  ことになった。

 

 

  「さあ、いよいよ明日は待ちに待った教育実習だ!」というワクワク感と心地よい緊張

  感に満たされ、その前夜はあまり眠れなかった。

 

 

  初日月曜日の1時間目は全校集会だった。

 

  実習生は全員が控え室で待機していた。

 

  全校生徒が運動場に整列したのを見計らい、実習担当の先生の後について運動場に向か

  った。

 

  自分の母校なので校内のことはよくわかっていたが、10年経って久しぶりにやって来た

  時の印象はやはり違っていた。

  

  自分が生徒の時は見る側だったのが、教師の立場になるとたとえ実習生と言えども見ら

  れる側になった!

 

  運動場に出ると生徒たちの視線をいっぱいに感じながら、俺たちは長椅子の上に整列し

  た。30㎝高いところに上がると最後列の生徒たちの顔も見えたので、一層緊張感が増し

  た.....