いつも旬な男の物語(191)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 65」〜

 

  第一志望校は世界史が論述だった。

 

  俺はこの論述が苦手だったにも関わらず、論述のための勉強をほとんどやっていなか

  った。

 

  過去問を見ても、どこの時代のどんな分野が出るかは年によって全く異なっていた。

 

  だから、語句の暗記はもちろん時代背景や主な出来事などについては広く浅く覚えて

  いた。

 

 

  模擬テストでは受験校全てで合格可能性が80%を超えていたので、自信を持っていた

  が大丈夫だと言い切れるほどではなかった。

 

  第一・第二志望校に関しては過去数年分の問題を解いて傾向を知り、自分なりに対

  策を考えていた。

 

  どちらも英語がかなりのレベルだったが、国立の方は細かな問題はなく長文を読みこ

  なして設問に答えたり、比較的長い英作文があったりなどじっくり考えて解答すると

  いう問題形式だった。

 

  私立の方は時間配分で言えば1問に十秒程で答えるというぐらいに問題数が多かった。

  瞬時に判断して正解を見つけるという能力が必要だった。全てがマークシート方式だ

  ったように思う。

 

 

  両者は問題形式が全く違っていたので、双方の形に慣れる必要があった.....

 

     

 いつも旬な男の物語(190)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 64」〜

 

  たとえ滑り止めだとしても、最悪の場合はそこに入学する可能性もあるので、自分の

  好きなことが学べるように熟考して決めた。

 

  本命は関東の国立大学の外国語学部(英米語学科)

 

  第二志望は関東の私立大学の外国語学部(英語科)

 

  第三志望は関西の私立大学の文学部(英文科)

 

  第四志望は関西の私立大学の法学部

 

  この4校に決めた。

 

  合格可能性は校内校外模試ともに80%でA判定だった。

 

 

  秋の終わり頃から模擬テストを月に一度ぐらい受けていたが、どれも合格可能性は80

  %以上の判定だった。

 

  共通一次以降は本命の大学の受験科目(英語・世界史)を中心にやり、私立に必要な

  国語は少なめにした分その代わりに読書を行っていた。

 

  勉強時間の割合は英語6割・世界史3割・国語1割という感じだった。

 

 

  受験科目は共通一次に比べると7教科から3教科に減った。

 

  でも、同じ大学の同じ学部を受ける受験生にとって条件は誰もが同じだった。

 

  受験科目が減ったら、一つの科目にかける勉強時間は増えるのが、甘く考えることは

  できなかった。

 

 

  第一志望の大学は英語の配点が世界史の倍あったので、どうしても世界史より英語の

  勉強に力を入れざるを得なかった.....

     

 

      

 

 

    

 いつも旬な男の物語(189)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 63」〜

 

  俺の本命である外国語大学の二次試験を受けるには共通一次の合計点数が780点以上

  あれば受験資格が得られるという予想だった。

 

  俺の取った830点という点数に自信を持ち、早速外国語大学(英米語科)に願書を送

  った。

 

  共通一次試験の合計点数が大学側の二次試験受験資格最低点数に満たなければ、受験は

  できないので受験生は誰もが慎重になった。

 

  自己採点が正確でなければ、志望校を確定するのは難しかった。

 

  そのために共通一次試験の答えを正確に問題用紙に書くことが最低でも必要だった。

 

 

  願書を出すと大学から受験証が送付されてきた。

 

  これで俺は本命の大学を受ける権利を得た。

 

  ひとまず安心をして受験勉強に励んだ。

 

 

  そして、第二希望である私立の外国語学部(英語科)に願書を出した。

 

  これが俺の最後の受験だということもあり、一応滑り止めとして私立の文学部(英文

  科)と法学部を受けた。

 

  語学が一番勉強したかったので、外国語学部のない大学は文学部(英文科)を滑り止

  めにした。

 

  もう一校法学部を受けたのは、二つの大学の文学部の入試日が同じだったから。

 

  どうせなら英文科に力を入れている大学を受けたかったので、もう一方は法学部を受

  けることにした。この大学は法学部に力を入れていたから.....

 

 

    

        

 

      

 いつも旬な男の物語(188)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 62」〜

 

  もう後がない3浪目もゴールデンウイークが過ぎる頃には学習スタイルも軌道に乗って

  いた。

 

  夏には夏季講習を受け、授業のない時間帯は食堂で勉強したりして少しでも予備校で

  勉強する時間を多くしていた。

  

  秋の気配が漂う頃には街を歩くカップルに目をやりながら、来年の今頃を想像したり

  して更に勉強へのモチベーションを上げたりもした。  

 

  冬になると共通一次試験がひと月後に迫り続いて私立と、立て続けに入試があるので勉

  強以上に体調面にも気を配り始めた。 

 

 

  俺の3浪目の入試は共通一次試験から始まった。

 

  1月の中頃に教育大学の会場で二日間にわたって行われた。

 

  木枯らしが吹くとても寒い二日間だった。

 

  試験が終わって帰宅すると夕方の5時を回っていたので、辺りは既に暗くなっていた。

 

  二日目が終了して帰宅し、両親に結果を報告がてら居間に入ったら、暖房が効いてい

  てとても暖かかったのを覚えている。

 

 

  受験科目は英数国と社(歴史・公民)理(生物・地学)の計7科目で受けた。

 

  配点は英数国が各200点満点で、社理は各100点満点の合計1000点満点だった。

 

  問題用紙に自分の解答を全てメモしておき、後で計算したら合計点数は830点ぐらい

  だった.....

 

 

       

       

   

  

 

 

 

 いつも旬な男の物語(187)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 61」〜

 

  3浪時代の俺の勉強スケジュールは予備校と家庭学習の2本立てで組んでいた。

 

  朝から夕方4時ごろまでは予備校での勉強で、それ以降は家での勉強だった。

 

  帰宅して5時頃から「水戸黄門」を1時間だけ見るのが、俺の唯一のテレビ視聴タイ

  ムだった。

 

  それ以外は一切テレビは見なかった。

 

  これは2浪目のときもそうだった。

 

  一旦見だすとついついダラダラと見てしまいがちになるので、それならと時間を決め

  て1時間だけ見ることにした。

 

  全く見なくてもよかったんだけど、何となく「水戸黄門」を見ると、胸がスカッとし

  て気分も晴れやかになった。

 

  その勢いで勉強すると集中しやすかったので、見ないよりは見る方が俺にはよかった。

 

 

  まあ、人によっては途中から頭を勉強モードに切り替えるのが難しい人もいるので、

  それは人それぞれの性格を考えてやればいい。

 

  そんな感じで俺は3浪という1年間を過ごした。

 

  毎日が勉強漬けの日々だったが、目標もあり勉強自体が嫌いでもないので、モチベー

  ションが切れることも無くやり通すことができた。

 

  京大クラスに入ったので最初は京大の文学部を狙っていたが、数学がネックになり途

  中で外国語系に変更した。

 

  しかし、元々は外国語を学び、卒業したら商社に勤めて海外出張をバリバリこなすぜ

  という理想を描いていた。

 

  だから、元へ戻ったという感じだった.....

 

     

         

 

  

 

 

 いつも旬な男の物語(186)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 60」〜

 

  予備校の京大クラスに受かった喜びは、まるで高校に受かったと時と同じぐらいに嬉

  しかった!

 

  もう飛び上がりたいほど嬉しくて、誰彼なくに抱きついて俺の感情を表したかった!

 

  「やったー!遂に受かった!さあ、これからだ!」と自然に言葉が出て来るほどの凄

  いエネルギーが湧いてきた。  

 

  昼に近かったので俺は予備校を出て、その感情を抑えながら昼ご飯を食べにいった。

 

  それでも嬉しさは顔に出ていたと思う。

 

  それほどに嬉しかった。

 

  ちなみに昼ごはんを食べたのは「王将」だった(^ ^)

 

 

  3年目は俺も京大を目指そうと思って、京大クラスに入った。

 

  クラスで300人ぐらいいる中の55番目だったので、俺も京大に入る可能性が高いと思

  いその気になって勉強した。

 

  

  ところが数学が思うように伸びなくなったきた。

 

  たとえ文系だとしても受験に数学はあるので自分なりに努力してみたが、京大は厳し

  いかな思い始めた。

 

  夏休みが終わる頃には志望校を変更し、元々好きだった語学の道に進もうと思い東京

  外国語大学に決めた。

 

 

  国立は共通1次試験を受けなければならないので、5教科全てが試験科目だった。

 

  なので、数学もそこそこは点数を取る必要があった.....

  

      

   

 いつも旬な男の物語(185)〜俺は教師だ!「今、一番綴りたいこと 59」〜

 

  両親の許しを得てからの俺は気分を一新し新たなるチャレンジの道を歩み始めた。 

 

  予備校は引き続き同じ学校に通うことにした。

 

  コースは私立文系ではなく京大文系にした。

 

  

  1年間みっちり予備校で勉強し、そこそこ力もついていたので文系で一番高いクラスに

  決めた。

 

  このクラスに入る方が大学に入るよりは難しいと言われていた。

 

  第2希望は国立文系にした。

 

 

  私立の大学に落ちてからは予備校の試験があるので、まずは目標とするクラスに入れ

  るように手綱を緩めずに励んだ。

 

  そして、予備校の合格発表の時がやってきた。

 

  京大クラスの合格可能性は五分五分だった。

 

 

  通い慣れた予備校の1階ロビーに張り出された受験番号を目で追った。

 

  22000から始まる番号をサッと目で追った。

 

  「あった!」と俺は喜びを噛み締めながら顔が綻んでくるのを感じた。       

 

  念のためもう一度22000から丁寧に番号を追跡していった。

 

  22055の受験番号が書いてあるのをはっきりと確かめてから俺は受験票を持って受付

  の窓口に向かった。

 

 

  入学手続き書類をもらい、それをカバンに入れてしっかり肌身離さず持って俺はひと

  りで予備校を後にした.....