いつも旬な男の物語(13)〜教師に憧れて⑬〜
実は、既にこの時点で教師への道が敷かれていたのかもしれない。
おもちゃ売り場でのバイトは、小中学校が冬休みに入ると平日も混み合うようになっ
た。
最も忙しかったのはクリスマス・イヴとお正月の三が日だった。
おもちゃ売り場のフロアーは家族連れで大賑わいだった。
俺はラジコン操縦のデモンストレーションをするために、主任さんに頼んでフロアー
の一部分を使わせてもらった。
3m四方ぐらいの広さで、スポーツカー・トラック・バギーなど多種類のラジコン車
を操縦し動かしまくった。
「うわっ、おもしろそう!」
「ママ、あれ買って!」
といったこどもたちの話し声が聞こえることもあれば
じっとラジコン車や俺の操縦風景を眺めているこどもたちの姿もあった。
俺は、操縦をしながらひとりで叫んでいた...
「おっと、これは凄い!」
「ひぇ〜、難しい!」
「おっ、さすがはランボルギーニだ!」
知らない間に俺は自分で興奮し始め、俺のまわりはこどもたちで溢れていた.....